私が35年間で学んだ、株式投資で絶対にやってはいけないこと【後編】
ノープラン・資金管理の失敗、そして5つの失敗から生まれたルール
こんにちは、前田嘉一です。
前編では、以下の前半3つの失敗をお伝えしました。
- 失敗①:自社株への盲目的な投資
- 失敗②:情報に踊らされた中国関連株
- 失敗③:分析なしで買ったCHINTAIという「感情で動いた」
この記事では、残り2つの失敗と、5つすべての失敗に共通するパターン、そしてそこから生まれたルールをお伝えします。
失敗④:リーマンショックでノープランだった——準備のない暴落の恐怖
株式投資で初めての大暴落、何もできなかった
2008年秋冬のリーマンショック。
私が初めて遭遇した大暴落でした。
当時「100年に1度」と言われたこの暴落は、経験が浅かった私にとって本当に恐怖でした。
それにノープランのまま恐怖に飲み込まれていきました。
9月中旬にリーマン・ブラザーズが破綻しました。
そして全世界の株価が軒並み下落し、私はノープランの恐怖からすべての取引をやめて相場から離れました。
パソコンすら開けませんでした。
夜もネットで相場を確認し続けた
しかしTVニュースや新聞、電車の週刊誌広告から相場状況が気になり出し、10月初旬から相場に戻りました。
「次のリーマン・ブラザーズのように破綻する企業がたくさんある」という噂が飛び交っていたころです。
いわゆる「リーマンショックの2番底」の時期です。
私はノープランのままこの2番底に挑みました。
そして、どうしていいかわからないまま、夜も眠れずにNY市場をネットで確認し続けていました。
TV朝日の報道ステーション、TV東京のワールドビジネスサテライト、深夜遅くまでヤフーファイナンスやSNSの投稿を見る毎日でした。
毎日何もわからず、何もできず、恐怖との戦いでした。
「売りボタン」が押せなかった
最終的に「自分は投資家に向いていない」と判断して全株処分に動きました。
それでも損は300万円以内で収まるはずでした。
でも、いざとなれば「売りボタンが押せない」のです。
指が震えるのです。
私の人生すべてをかけた株式投資をやめてしまうことを、潜在意識が拒否するのです。
失敗を認めたくないプライドも手を止める。
それで先延ばしにする。さらに下がってしまう。
この繰り返しでした。
結局、皮肉なことに何もできなかったことが長期保有につながりました。
当時保有していた「サカタのタネ」「キューピー」「ノリタケ」は、ハイテク株と異なり生活に根ざした安定企業だったため、暴落後も比較的安定して、後に3.5〜5倍に増えてくれました。
ノープランで動けなかったことが、結果的に正解だったという皮肉です。
プランは「穏やかなとき」に作る
今でも、リーマンショックの2番底の時に事前に暴落のシナリオを考えていたら、と考えることがあります。
でも実際には単純にそう行動できません。
私は弱いですから、恐怖という感情が先走り、いろいろと考えてしまいます。
それでも「穏やかなときに暴落が来たらどうするかのプランを作っておく」必要があります。
恐怖という感情が、自分のプランや論理を上回らないようにするために。
「暴落してから考える」では遅い
——ただうろたえるだけで何もできません。
暴落は必ず来ます。
めったに来ませんが「いつ来るか」はわかりません。
今でも暴落は怖い。
だからこそプランを持つことが、大暴落したときに恐怖を制圧するための唯一の武器になります。
株式投資で絶対にやってはいけないこと:暴落時のプランなしに投資家でいること。

失敗⑤:一度に全部買った——資金管理の失敗
ファンケルを一度に1,800株買ってしまった
個別株投資を始めたばかりの2003年12月の話です。
サプリメントが徐々に認知拡大されてコンビニの店頭に並び始めたころ、ファンケル(コード4921)が580円前後から下落して500円を切ったら買うと証券会社の営業マンに宣言していました。
12月に500円を割ったとき、営業マンからすぐに電話がかかってきました。
以前から話をしていたこともあり、証券マンの押しもあって、1株490円で1,800株を一度に購入してしまいました。
本来なら600株ずつ3回に刻むべきでした。
でも証券会社の顔色を伺い、決断力のある投資家という理想の自分を演じようとして、一度に全部買ってしまったのです。
「安いとわかっているのに買えない」という最悪の状態
その後、株価は450円まで下がりましたが、資金が尽きて指をくわえているだけでした。
「平均単価を下げる機会を自ら潰した」という悔しさが残りました。
どんなに確信のある銘柄で、目標株価になったとしても、一度に全部買ってはいけない。
なぜなら相場は自分の想定以上に下がることがあるからです。
この経験からルールが生まれました。3回に分けて購入する「3分割購入」です。
3分割は技術論ではなく「心を守る仕組み」です。
「利益は運、怒りは教訓」
結局、ファンケルは長期保有していき、21年後の2024年6月にキリンに2,800円でTOBされて保有を終えました。5.7倍、利益は出ました。
でも「利益は運」だったと思っています。
一方で「自分への怒りは教訓」になりました。
怒りを教訓に変える
——これが、35年間で身につけた弱い自分なりの投資家としての生き方だったのかもしれません。
株式投資で絶対にやってはいけないこと:一度に全部買うこと。



補足:株式投資で5つの失敗に共通するパターン
5つの失敗の要点を整理するとこうなります。
- 失敗①:自社株→「思い込みで判断した」
- 失敗②:中国関連株→「焦りで買った」
- 失敗③:CHINTAI→「分析なしに買った」
- 失敗④:リーマンショック→「準備なしで相場にいた」
- 失敗⑤:ファンケル→「資金管理を無視した」
すべてに共通するのは「感情で動いた」ということです。
手っ取り早くお金持ちになろうと、その場の雰囲気に流されて株を買ってしまう。
投資本を読むと「感情を無くせ」と書いてありますが、私の感情は弱いので基本的にそれは無理です。
だから、なるべく感情で動かないようにするために「ルール」と「仕組み」を作りました。
思い込み・焦り・なんとなくで購入することをやめるために「ビジネス構造の分析」をルール化しました。
買うときは一度に全部買わず「3分割で購入」するルール。
大暴落が来て退場するときでも生活には影響しないように「防衛資金500万円」を別にしておくというルール。
失敗を重ねて、すべてに大切なのは「自分のメンタル」だとわかりました。
メンタルは弱い、感情で動くと失敗する。
感情を押さえつけようとすると「うつ病」になる。
そうならないようにルールや仕組みを作る。
感情をなくすのではなく、感情と共存する
——これが私の結論です。
「自分は弱いから、ルールが必要だ」という考え方は、弱さを隠そうとするのではなく、弱さを前提にシステムを作るという現実的なアプローチです。
締め:株式投資で失敗したから、今がある
35年間の投資で、私は何度も失敗しました。
感情にともなう失敗が多かった。
その場の雰囲気に流されて株を買ってしまう感情の弱さにどう打ち克っていくか
——私は失敗のたびに反省して、一つのルールを生みました。
そのルールが積み重なって、今の4億円になりました。
失敗は損失ではなく、授業料でした。
ただし「同じ失敗は繰り返さない」という条件のもとで。
私は資産家の家庭に生まれた訳でも、メンターがいた訳でもなく、すべて独学で図書館の本とネットの情報を頼りに株式投資をしていました。
だからこそ600万円以上の損失が生まれ、21年間の窓際族としての屈辱と苦しみがありました。
もし最初から資産家の家庭に生まれていたら、もしメンターがいて株式投資のルールがわかっていたら、きっとこの痛みは避けられたかもしれない。
だから失敗は回り道だけだったとも言えます。
失敗でうつ病を再発しそうになったことも含めて、「学習のためなら仕方がない」と割り切れるものではありません。
でも、事実として失敗したから今があることも事実です。
この間に挟まれたジレンマはものすごく感じています。
あなたが株式投資で犯した失敗は何ですか。その失敗から、どんなルールが生まれましたか。
株式投資で絶対にやってはダメなこと、そしてブログのご感想などがあればお待ちしています。
みんかぶマガジンにも記事を書いています。 →こちら





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