私が35年間で学んだ、株式投資で絶対にやってはダメなこと【前編】
思い込み・情報・分析なし、最初の失敗3つの実録
こんにちは、前田嘉一です。
私は1991年の自社株投資を皮切りに、本日まで35年間にわたり株式投資の世界で生き残っています。
そして35年間の株式投資で、私が犯した失敗は一つや二つではありません。
最初の大失敗だけで480万円を失いました。
中国関連株での約20万円の損失、分析なしで買った株で約100万円の損失
——総額でわかっているだけで600万円以上失いました。
でも今、資産は4億円です。
失敗したから4億円になれなかったのではなく、失敗したから4億円になれた。
その意味を、この記事で正直にお伝えします。
失敗①:自社株を信じすぎた——最初の480万円の損失
知識ゼロで、枠いっぱいに買い続けた
私は初任給で自社株投資を開始しました。
まさに知識ゼロからのスタートです。
何も考えずに購入枠いっぱいに買い続けました。
まずスタートは毎月3万円、夏冬ボーナスは10万円ずつ。
そして会社の業績が悪化するにつれて購入枠は広がり、6年間で総額約600万円を投資するに至りました。
自社株を買い続けた理由は3つありました。
- 給料をもらい過ぎていると感じていたこと
- 自分の業績アップが会社を良くして株価も上がるという思い込み
- 「株を売ることは会社を見捨てること」という忠誠心です
完璧なシナリオが崩れた
頭の中には完璧なシナリオがありました。
安いうちに仕込んで、自分の業績アップで持ち株が上がり、地位・役職・給料・持ち株すべてがアップしてお金持ちになる。
でも個人成績が会社売上予算の1/6を担う時期もあるほど頑張っても、同じだけサボる人が出てきて業績は中和されました。
さらに株価は下がり続け、年功序列で役職は上がらず、給料もカットされ、ノルマだけが積み上がっていきました。
今思うと、この完璧なシナリオを描いたこと自体がミスでした。
シナリオが崩れることへの恐怖が行動を麻痺させ、最終的にはうつ病・損切り・21年間の窓際族生活へと続いていきます。
480万円の損失確定
自社株を売ったのは32歳でうつ病になったとき。600万円が120万円になっていて、480万円の損失確定です。私の人生で最大の損失でした。
自社株投資の本質的な危険性——「会社が傾けば給料も株も同時に失う二重リスク」を、当時の自分は理解していませんでした。
株式投資で絶対にやってはダメなこと:会社への忠誠心と株式投資を混ぜること。

失敗②:情報に踊らされた——中国関連株ブームの損失
「誰よりも早く情報を仕入れたもの勝ち」という思い込み
個別株投資を始めたばかりの2002〜2005年。
私は自分でビジネス構造や財務を分析することはしていませんでした。
なぜなら、めんどうなのと、まわりに株で成功している人がいなくてどうやっていいかもわかりませんでした。
そして、手っ取り早く、証券会社の営業マンや夕刊紙の「爆益情報」を誰よりも早く仕入れたもの勝ちだと思っていました。
当時は中国関連株・仕手株の情報ばかりでした。
「○○さんが○○円一気に儲けた」という話を信じていました。
「今買わなければ損」という焦りに支配されていたころです。
富士チタンとフェイス——知らない間に巻き込まれた
一番情報に踊らされたのは、中国関連の思惑から富士チタン(当時コード4077)を249円で2,000株買ったときです。
その後も株価は上がらず、2005年3月に石原産業に子会社化されて持ち株も株式交換されました。
直後に石原産業が有害物質で不祥事を起こして暴落。
そして、2006年8月に155円で売却しました。
夕刊紙の情報で買い、知らぬ間に別会社に株式交換され、不祥事で暴落する
——まったく何がなんだかわからないまま約20万円の損失でした。
着メロ・携帯アプリを扱うフェイス(コード4295)にも踊らされました。
「携帯電話関連はこれからだ」という情報に乗って買い、約3万円の損失で収まりましたが、本当に踊らされていた時代でした。
「浮足立っている自分」が一番怖い
結局は「手っ取り早くお金持ちになりたい」という焦りが問題でした。
当時は窓際族で、会社のまわりを見返したかった。
- 一発逆転したい、早く結果を出したい。
- でもできない。
- どうしていいかわからない
——これが頭の中でグルグルと回るのです。
この感覚は、うつ病になる前の状態に似ていました。
「窓際族」という立場は、単に「仕事がなくなった」だけでなく、社会的な承認・人間関係・自己肯定感という、人間が正常に判断するための土台をすべて奪う状態でした。
その状態で投資をすると、「株式投資」という行為そのものが、心の穴を埋めるための「薬」や「救世主」になってしまっていました。
株式投資は単なる金銭的なゲームではなく、投資家の「心の状態」がそのまま結果に反映される、極めて精神的な行為です。
この時期に「自分は弱い」と理解できたことが、後に数字を重視し、仕組み化・ルール化する方向へと進んでいくきっかけになりました。
株式投資で絶対にやってはダメなこと:焦りを感じているときに買うこと。

失敗③:分析なしに買った——「なんとなく良さそう」の罠
表面の勢いだけで買ったCHINTAI
自分の分析法がまだ甘かった時代の話です。
CHINTAI(コード2420)を2007年初頭に74,280円で25株購入しました。
「不動産情報が紙からネットへのシフトで収益性が向上するだろう」という噂の記事を読んで飛びついたのです。
でも買ったときにはすでに株価は上がりきっていました。
そこを調べずにビジネス構造の表面だけの勢いで高いところを買ってしまっていたことが、当時はわかりませんでした。
「なぜ下がるのかわからない」という恐怖
心の中では「紙からネットに代わるのだから上がるに決まっている」と勝手に判断していました。
だから逆にだんだんと下がっていく理由がわからない。
そして分析もしていないので売るタイミングも買い増しするタイミングもわからない。
ただ人から聞いた材料だけで上がるだろうという思い込み
——それ以外はノープランでした。
このノープランのとき、売ろうか買おうか目標価格すらわからない。
それで心の中がグルグルと回ってしまう。
これが一番メンタルにこたえるのです。
そして結局2008年の年末に36,800円で全部処分して約100万円の損失。
リーマンショック後も下がり続け、もう元には戻らないと判断してのことでした。
「知っている」と「分析した」は全く違う
分析がない場合、株価の変動がすべて「脅威」として脳に認識されます。
「なぜ?」という問いに答えられないこと自体が恐怖になっていきます。
逆に分析がある場合は、株価が下がっても「これは一時的な調整だ(根拠あり)」と判断でき、感情が安定します。
トヨタやソニーを「ただ知っている」だけで買うのは、根拠のない買いと同じです。
つまり「自分のものさし」(判断基準)がないと、「みんなが言う期待が正しいのか、現実の株価が正しいのか、どちらを信じるべきか」という認知的不協和が発生して、心の中がグルグルと回り続けます。
株式投資で絶対にやってはダメなこと:「なんとなく良さそう」「なんとなく上がりそう」という感覚だけで買うこと。

まとめ:前半3つの失敗に共通すること
失敗①は「思い込みで判断した」、失敗②は「焦りで買った」、失敗③は「分析なしに買った」
——3つに共通するのは「感情で動いた」ということです。
そして、どの失敗も「頭の中がグルグルと回る」状態を生みました。
- 「グルグル回らないようにする」
- 「うつ病にならないようにする」
——これを株式投資の際の一番の判断基準にしていったことが、その後のルール化につながっていきます。
次の記事では、リーマンショックでのノープランの恐怖と、一度に全部買ってしまった失敗、そして5つの失敗に共通するパターンと、そこから生まれたルールをお伝えします。→【こちら】



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