窓際族21年・うつ病・薄給——それでも資産4億円になれた3つの理由【後編】
こんにちは、前田嘉一です。
前編では、理由①「仕組みで強制した」と理由②「勤務先を反面教師にした」をお伝えしました。
この記事では、理由③「売らなかった」、そして3つの理由に共通する「弱さという武器」の話をお伝えします。
理由③「売らなかった」——弱さが長期投資を可能にした
リーマンショック、売りボタンが押せなかった
2026年7月現在、東京エレクトロンは50倍、TDKは19倍になっています。
すべて2013年以前に買って長期投資したものが増えています。
でも、リーマンショックの2008年秋、すべてを投げ売ろうとした瞬間がありました。
東京エレクトロンは2003年から買い始め、3,000円前後で推移していた株が、リーマン・ブラザーズ破綻後には1,500円前後まで下がりました。
さらに「次の破綻はどこか」という噂からもう一段下がり、1,000円前後まで落ちました。
普段見ていた価格の1/3、私の買い単価の半値以下です。
全部売っても200〜300万円の損でした。
40歳手前、まだやり直せる。そうしようと決めていました。
でも最後の最後になって、「売りのボタン」が押せなかったのです。
なぜ押せなかったのか
窓際族で個別株投資をやると決めて7年目に来た、初めての大暴落という試練。
私は「ノープラン」でした。
経験も対処法もなく、その場その場の感情だけで対応するしかありませんでした。
売りのボタンが押せなかった理由は、感情的に投資家をやめたくないという深層心理にありました。
そして「売りボタン」を押すことは、3,000社の中でソートして「自分のものさし」で選び抜いた企業を否定すること。
さらに、窓際族で静かな退職を選び、個別株投資をする人生戦略に対する負けを認めることでもありました。
負けを認めたくない
——この意地が「売りボタン」を押させなかったのです。
結果的にこの判断が長期投資になって、今があります。
偶然的に生き残りました。
長期投資の本質は「弱さゆえの執着」
よく「長期投資(ほったらかし投資)は買ったら放置すればいい」と言われます。
理論上は正しい。
でも感情論を完全に無視しています。
本質は「意地でも持ち続ける覚悟」であり、「売ることは自分の負けを認めること」くらいの感覚がないと本当の意味では難しい。
私は長期投資を、保有できる技術ではなく「弱さゆえの執着」でここまで乗り越えて生き残ってきました。
短期的な損切りは、機械のように合理的な判断かもしれません。
でも長期的には、人間の感情(アイデンティティ、執着)と対立することがある。
そこが難しいのです。
「売りたくない」という感情的な判断は、短期的には非合理です。
でも私のような「人間の生存本能としての弱さ」が、長期的には「生き残り」を可能にしました。
「人間らしい弱さ(執着、意地)」が、むしろ長期投資には不可欠な「強さ」であったのです。
補足:なぜ「弱かったから勝てた」のか——3つの理由の共通点
弱さを武器にしたということ
3つの理由に共通するのは「弱さ」です。
仕組みで強制したのは「意志が弱かったから」。
勤務先を反面教師にしたのは「転職できるほど強くなかったから」。
売らなかったのは「損切りできるほど勇敢ではなかったから」。
強かったら、仕組みに頼らなかった。
もし強かったら、転職して別の道を選んでいた。
完璧に強かったら、損切りして次の銘柄に移っていた。
でも弱かったから、仕組みに頼った。
いつも弱かったから、窓際で分析し続けた。
何をやっても弱かったから、売れずに握り続けた。
その弱さが、21年後に4億円という形になりました。
「完璧な投資家」を目指すと崩壊する
投資本やすご腕投資家の教えには「完璧な意志・冷静さ・合理的判断を持つ投資家を目指せ」とあります。
でも人間は本質的に弱いもの。
完璧を極めようとすると、その人間が崩壊してしまいます。
「人間は完璧では生き残れない」という真理があると思います。
だから弱さを認める。共存していく。
私にとってそれは「弱点をシステム化し、感情を燃料に変える」という、人間にしかできない生存戦略そのものでした。
「弱かったからこそ、人間らしく戦略を組み立てることができ、機械的な強者よりも生き残れた」
——今はそう思っています。
各シリーズへの橋渡し
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締め:あなたにも「弱さ」はありますか
私は投資の天才ではありません。
勇敢な投資家でもありません。
ただ、弱かっただけです。
弱かったから仕組みを作り、弱かったから勤務先を分析し、弱かったから売れませんでした。
その弱さが、今の4億円になりました。
私は人間の弱さを否定しません。
その弱さを仕組みやエネルギーに変えて、生き残ることができると知っているからです。
あなたの「弱さ」は何ですか。
それが、武器になるかもしれません。

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