FIRE4年目|午後~夜|私が今も続けていること【後編】
午後から夜、資産4億円の実感と長期投資の本質
こんにちは、前田嘉一(まえだよしかず)です。
前編では、FIRE4年目の朝から昼
——日経先物の確認・1万歩の散歩・ツバメがいない異変への「恐怖レーダー」・公園のベンチでのヒートマップ確認までをお伝えしました。
この記事では、午後から夜の過ごし方、2ヶ月で資産が1億円増えた実感、そして長期投資の本質についてお伝えします。
FIRE4年目、午後——図書館か、勉強会の準備か
「働いている体」をしなくていい自由
散歩から帰ってきて、相場も予想レンジ通りで何もないとわかると、自分で選んで好きなことができます。
勤務先時代は、窓際族で仕事はなくても、17時までは「働いている体」をしなければなりませんでした。
「働いている体」をすることが、毎日必ずやることでした。
給料をもらうための、ある意味で無駄な時間でした。
今はそれがありません。自由に何をしてもいい。
来月の勉強会の発表銘柄を探しに図書館へ行って、新しい雑誌やビジネス書を読んでもいい。
ブログやXを読んだり書いたりしてもいい。
ボランティアでスポーツコーチの準備をしてもいい。
すべて自分で選べます。
ドジャースの試合と「東京エレクトロン」の看板
家でのネットサーフィンでは、最近はドジャースの試合ハイライトを見るのが日課になっています。
YouTubeで5〜10分の動画。大谷翔平、山本由伸といった一流選手が、三振かホームランかの真剣勝負をしている。
応援の鳴り物が鳴らないことと、グラウンドとスタンドの距離が近く、網のフェンスがないのもいい。
それに、球場のフェンスに「東京エレクトロン」の広告があるのも気に入っています。
きっかけは「BtoBの東京エレクトロンが、なぜ一般向けに宣伝するのか」という素朴な疑問でした。
寂しいかもしれませんが、日本国内はだんだん取り残されていき、最先端はアメリカに行っているのではないかと感じます。
定置網漁の動画——「待つ」ことを生業にする人たち
もうひとつ欠かさず見るのが、福井県若狭湾の大型定置網漁の動画です。
毎日張った網を毎朝引き上げる様子を映しています。
「待つ」「毎日同じことをやる」「何が入っているかで勝負する」
——楽しんでいるわけではなく、それで生活する覚悟を決めている姿がいい。
私のサラリーマン投資時代の相場への向き合い方と重なって、興味深く見ています。
サバ・アジ・トビウオ・シイラ・コノシロ・小さいイカから始まり、サワラ・ブリ・タイ・スズキが本命。最近はマグロが豊漁とのことです。
「自由すぎる孤独」から「やりたいことがある自由」へ
FIREして4年目、最初は正直「自由すぎる孤独」がありました。
窓際族で空気のような存在でも、会社という居場所と、やらされる仕事はあった。
それがなくなったとき、戸惑いがありました。
でも今は「やらなければいけないことが何もない」「やらされることが何もない」という状態に慣れ、これが一番いいと腑に落ちてきました。
「毎日やりたいことがある」「やりたいことができる」
——これが良いとわかってきたのです。
FIRE生活は、一般的な目から見れば社会的なレールを外れた人間に映るかもしれません。
でも、期限がなく余裕を持って、自分の新しいレールを自分で敷いていける。
「やりたいことを見つける行為そのもの」に意味を見出すこと
——それがようやくわかってきました。

FIRE4年目、夕方——もう一度、相場を確認する
終了5分前の不穏な動き
毎日15時30分、日本市場が終了します。
必ず前日との差を確認します。
予想レンジ内の動きなら安心です。
でも、たまに終了5分前に大きく動くことがある。
決算発表なのか、要人発言なのか、ファンドの仕掛けなのか
——こういう日はやはり気になります。
最近ではトランプ大統領の発言で大きく動くことが多く、アメリカとイランの緊張が高まったときは心配で夜も眠れず、ネットニュースにしがみついていました。
私の恐怖レーダーが反応した瞬間でしたが、それでもリーマンショックの2番底の眠れない時期に比べれば、まだ大丈夫でした。
経験と対応ができる範囲内だったということです。
売買は500万円以内、残りは「何もしない」
今の私は、3ヶ月以内と期限を区切って株式売買するのは総額500万円以内に決めています。
残りの株は長期投資、基本的に何もしません。
東京エレクトロンやTDKなどの半導体・電子部品関連の銘柄を持ち続けています。
これらの株は、リーマンショッククラス以上の大暴落が来ない限り、買値を下回ることはありません。
だから、毎日確認しても、これらの株を売ることも大きく買うこともしません。
FIREして4年目、売買に専念する時間はたっぷりあります。
でも長期投資を貫いていると、たまに「これは修行なのか」と思うことがあります。
2ヶ月で資産が1億円増えた——「何もしなかった」ことの正体
年利換算200%という数字の意味
4月中旬から6月中旬の2ヶ月で、資産が約1億円増えて、3億円から4億円になりました。
2ヶ月間の実績を単純に1年分に引き延ばして換算すると、「年利換算200%(複利なら461%)」になります。
この資産増は、自分が何かをしたから起きたわけではありません。
「東京エレクトロン」「TDK」「村田製作所」、そして「味の素」の株価が上がったからです。
すべて長期投資で、保有期間が一番浅い味の素でも2009年に買って17年間保有。その他の株は2002〜2008年に購入しています。
「何もしなかった」ことで資産は増えたのです。
1億円増えても、生活は何も変わらない
でも、正直に言うと、1億円増えても生活は何も変わりません。
朝の散歩も、先物の確認も、寝る前のチェックも、何ひとつ変わらない。
それが長期投資というものだと、今は思っています。
「勤務先という反面教師」があったから安全だった
これだけ短期で資産が増えたのは長期投資をしてきたからです。
それは自慢ではなく、各社のビジネス構造・財務状況・将来性を見て、「自分のものさし」で買っていったからです。
さらに私の場合は、夕刊紙に倒産危機が高いと書かれるようなワーストのお手本
——勤務先がありました。
勤務先と各指標が反対の会社の株を買えば安全だと判断できました。
その勤務先は、私が2022年にFIREした半年後に他社に吸収されて消滅しました。
そのうえで、あえて意地を張るように、2001年にうつ病になったことがきっかけで窓際族の道に進み、そこから今でいう「静かな退職」のようなことを21年間続けてきました。
そして「自分のものさし」で選び抜いた株を買い増ししていきました。
長期投資の本質——「意地でも持ち続ける」覚悟
売ることは「自分の負けを認めること」
買ってからも、自分の腕と投資先企業を信じて持ち続けてきました。
「これを売るときは、自分の負けを認めたとき」とどこかで思っていたのだと思います。
だから売らずに握り続けました。
おそらく、そうでもしないとここまで持ち続けることはできなかったと思います。
「長期保有」と簡単に言いますが、本質としては最も難しいことです。
「ほったらかし投資」が無視している感情論
よく「長期投資(ほったらかし投資)は買ったら放置すればいい」
「短期の値動きに惑わされないことが重要だ」と言われます。
理論上は正しいと思います。
でも経験上、これは「感情論」を完全に無視していると感じます。
本質は「意地でも持ち続ける」こと。
売ることは「自分の負けを認める」くらいの覚悟が必要で、たとえ損切りと決めても「恐怖で指が震えて」ボタンが押せず、「結局売れない」くらいの経験をしなければ、長期投資や長期保有は本当の意味では難しいと思います。
FIRE4年目、夜——寝る前にもう一度だけ
4億円あっても、ノープランでは眠れない
寝る前に必ず日経225先物の価格を確認して寝ます。
これも15年間続けてきました。
その日の日経平均終値と比べての差をチェックします。
差がゼロなら安心して眠れます。
1,000円以上のマイナスがついていると、何が原因か必ず調べ、対処プランを自分で決めるまで、怖くて眠れません。
これは4億円の資産があっても同じです。
ノープランは安心できず、眠れない夜になります。
普段はお酒を飲みませんが、飲んでも金曜・土曜の翌朝に日本相場がない日に限っています。
翌朝に相場がある日に飲んでも、必ず日経先物は確認します。
1,000円以上の大きな差があれば、酔いが醒めて原因を探し、対処プランを考えます。
「大暴落は怖くなくなった」とは決して言えない
「大暴落は怖くなくなった」という投資家がいます。
でも私には決して言えません。
その人の本音は「強がり」だと知っています。
私は「大暴落は怖い」。
だから少しの時間でも株価をチェックする。
チェックの時間を日課にしています。
そして、差がゼロ、あるいは予想レンジで収まっているかを確認します。
私なりの「恐怖レーダー」を持ち続けています。
恐怖を克服するのではなく、「共存すること」で恐怖から打ち克つ。それが私のやり方です。
窓際族の21年間、「17時になるまで時計を見つめていた」日々と、「日経先物を確認して眠る」夜は、基本的に同じだと思います。
一日「何もなければ」それで良し。
「何もないことを待つ」
——その作業に、もう慣れました。


締め:FIRE4年目の「豊かさ」とは何か
FIREして一番したかったこと
4年前、資産2億円でFIREしました。
FIREして一番したかったことが「太陽の光を浴びること」。
そのために毎朝、街を1万歩歩いています。
そこからFIRE4年目、資産は倍の4億円になりました。
勤務先だった会社は他社に吸収されてなくなりました。
それでも朝の散歩は変わりません。
街のカエデやイチョウの成長、ツバメやカルガモの子育てを心配しながら心待ちにし、交通標識や信号機の変化に興味を持ち、新緑の匂いに敏感になる。
そしてドジャースの試合ハイライトを見て、定置網漁でどんな魚が獲れているかの動画を楽しむ。
相場が何ごともなく予想レンジ内で終わること
——これが今の私の一日です。
ラットレースを勝ち抜いていたら
もし会社で出世のラットレースをどんな手段を使ってでも勝ち抜いていたら、こういう景色や生活は得られなかったと思います。
猛烈社員でうつ病になり、それが原因で窓際族になり、人とは違うサラリーマン投資家の道を選んだから、こういう時間を知ることができました。
本当の「豊かさ」とは
「自分のものさし」「自分のレーダー」を持ち、株式投資の理論だけでなく本質部分も経験してきたからこそ、「何ごともないのが一番」という考えを持てるようになりました。
この2ヶ月で、それが「一番資産を増やす方法だ」とわかってきました。
あなたにとって、豊かな一日とはどんな一日ですか。



FIRE4年目、今も昼から夜にかけて続けていることや、ブログのご感想などがあればお待ちしています。
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