投資勉強会、最初は2人だけから始まった【前編】——対等に話せる場を作りたかった理由
こんにちは、前田嘉一です。
2024年11月、最初の投資勉強会は2人だけでした。
公民館の4人部屋の会議室。私ともう一人の参加者が向かい合い、お互いの保有銘柄を発表しあいました。
そして時間は2時間、食事会もなし。
自分が分析した銘柄を発表するだけに特化した、シンプルなものでした。
これが私のやりたかった骨子でした。
2人とも積極的に発言して、私はしゃべり足りないくらいでした。
あれから1年半、まもなく20回を迎えます。
なぜ「全員発表型」にしたのか——FIREして気づいた孤独
FIREするまで、勉強会は「信用できない場所」だった
私は2022年にFIREするまで、勉強会やセミナーに2〜3回しか参加したことがありませんでした。
行っても話を聞くだけ。
証券会社の営業マンに「来たよ」と挨拶して終わりでした。
証券会社も勉強会も信用していませんでした。
なぜなら資産額や勤務先名、収入額を根掘り葉掘り聞かれ、電話攻勢や郵便攻勢をしつこく仕掛けてくるからです。
向こうは手数料で儲けるのに、こちらのメリットはありません。
だから最低限以外は相手にしない。
そしてアンケートにはすべて嘘を答えていました。
窓際族の時間で証券会社の推奨銘柄を自分なりに分析し直して、後追いで株価がどうなるかを調べ続けた結果、「推奨銘柄は直後は上がるが、1年後は日経平均と変わらないか少し下がる」とわかりました。
それからは独学のほうが良いと判断し、FIREまで株の勉強は図書館の本とネットだけでした。
FIREしてから「孤独」が見えてきた
FIREしてから、活動範囲が地元のボランティアコーチだけになりました。
頻繁に売買するわけでもなく、空いた時間はX(旧Twitter)での発信と交流が中心になりました。
そこで改めて勉強会やセミナーの存在を知りました。
新しい仲間との出会いと暇つぶし、それが参加の動機でした。
でも、もう一つ正直な動機がありました。
窓際族時代も、退職時も、誰にも投資のことを話せなかった孤独感が残っていたのです。
FIRE成功者として、うらやましがられるかもしれないという気持ちもありました。
条件は「X上でオープンに募集されており、有名で怪しくないもの」。
そして投資顧問業や投資助言業でない人が運営しているもの。
さらに会社のために専門用語で押しまくる営業をしてこない場所を探しました。
2年間、関西の勉強会に通い続けた
2022年秋にFIREして、2024年に自分の勉強会を始めるまでの2年間、関西圏のオープンな投資勉強会や証券会社主催のセミナーに月1〜2回参加しました。
毎回、1週間前から発表する銘柄を探して準備していきました。
得意な半導体・電子機械の銘柄、中国市場の影響で安くなっているが長期では反転しそうな銘柄、AIや原発関連でイノベーションを起こしそうな企業
——そういった銘柄を自分なりに分析して持ち込みました。
X上で興味を持った人と直接会いたいという気持ちもありました。
特に「リーマンショックのとき、どう考えてどう行動したか」を語り合いものがありました。
投資という場所で生き残ってきた「戦友」としての話をしたかったのです。
投資勉強会で感じた「2つの壁」
初対面でいきなりお金の話——「バリア」が崩れない
勉強会では席が近いグループでのディスカッション、その後の食事会で投資家同士が話し合う機会があります。
でも初対面でお互いが何者かわからないまま、いきなりお金の話になる。
なかなか気まずいものがありました。
相手の経験が浅いと感じると、私ばかりが話すようになり、相手が恐縮して話が続かない。
それが嫌でした。
「わからない」と言ってくれれば私は楽なのですが。
逆に、自分で銘柄を分析してこず、人の推奨銘柄だけを聞きにくる人は論外でした。
経験者の「2つのタイプ」
経験が長く資産がある人には、大きく2つのタイプがいました。
1つは「銘柄の話しかしない人」。
どれだけ自分が銘柄を知っているかに勝負をかけている人です。
そして、こちらの発表銘柄の浅いところを、その場でノートPCで調べて「いかにも分析能力があるかのように」振る舞う人。
承認欲求が強く、騰がったときだけXに投稿するタイプです。
後追いしてみると1年後は日経平均と変わりません。
もう1つは「何も言わない人」。
相手がどんな分析をしているかを静かに見ている人。
そして「そういう考え方もある」と冷静に聞き流せる人です。
承認欲求がなく黙っていますが、投資家として深い経験を持つ人が多い。
私はこういう人のほうが興味が湧きます。
ただ、この「何も言わない人」に個人的に話を聞いても、経験談や生い立ちを正直に話してくれる人は少なかったです。
多くの場合、株や土地を相続した人、家業の資金運用を任されている親族
——最初から資産がある人でした。
投資勉強会は最初から「全員発表型」にこだわった理由
入金力も肩書きも関係ない場所を作りたかった
私が語り合いたいのは「私はこう思っている」という部分でした。
コロナショックのとき、リーマンショックのとき、「私はこう感じた」「こうするべきだった」という個人の体験と感情の話。
そこには、入金力も、実家の資産額も、会社の名刺も肩書きも関係ない。
だから「全員発表型」にしました。
投資には正解がないと知っている人たちが、自分の主観的な体験を語り合い、それを尊重し合う場を作りたかったです。
「投資のテクニカルな正解」を教える場ではなく、「投資家としての人間性」を語り合う場を作りたかったのです。
「正解」よりも「主観」が。
「一般論」よりも「個人の体験」が重んじられる
——それが私の勉強会の骨子です。
仲間が増えていった——「同じ感覚を持つ仲間」という基準
2人から、5〜7名のコアメンバーへ
最初は2名から始まり、そこから一人、また一人と参加者が増えていき、現在はコアメンバーが5〜7名の規模になっています。
投資歴も得意分野も違います。
こだわってきたのは「継続すること」と「同じ感覚を持つ仲間との歩み」。
時間の使い方や価値観が近いことを大切にして、あせらず仲間を選んできました。
何も発表しない人、承認欲求だけを求めてくる人かどうかがわかるまで、時間をかけて見ていく。
メンバーが増えなくても焦りませんでした。
投資勉強会は最初から「生涯スポーツの運営」を参考にした
「同じ感覚を持つ仲間」で続けるという基準は、シニアの生涯スポーツのチーム運営を参考にしています。
私が委員を務める地域のスポーツ協会での「生涯スポーツの続け方」を投資勉強会に持ち込んでいます。
「やりきらない」「話し足りない」「またやりたい」で終わること。
無理のないバランスを維持して、頑張りすぎず、全員で息長く活動を続けること。
今では食事会もアルコール1杯までとして、健康的でお財布にも優しい形で続けています。
投資勉強会は「感情重視」の運営
多くの人が投資勉強会に期待するのは「具体的な投資法や銘柄を教えてもらえる場所」だと思います。
でも私の勉強会は違います。
過去の発表銘柄が現在どうなっているかの後追いも一応しますが、重視しません。
それよりも「あの時はどう思ったか」という「感情」を重視します。
ベテランのシニアスポーツのような、そういう運営をあえて持ち込んでいます。


まとめ:2人から始まった、その理由
最初から「全員発表型」にこだわったのは、技術論ではなく人間の話をしたかったからです。
入金力も肩書きも関係ない。
知識と経験で対等に話せる場所。それが、2人だけから始まった勉強会の出発点でした。
次の記事では、勉強会を飛び出した研修旅行と、長年狙っていた株をついに買えた日の話をお伝えします。→中編【こちら】




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