守りと知識が入金力を作った|窓際21年|1万時間の真価【後編】

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守りと知識が入金力を作った【後編】——窓際族21年が生んだ「1万時間の専門性」

こんにちは、前田嘉一です。

前編では、天引き・保険の見直し・欲しいものリストというお金の使い方を変えた3つの習慣をお伝えしました。

この記事では残り2つの習慣をお伝えします。

特に最後の習慣⑤は、入金力の定義を根本から変えるものです。

入金力とはお金を入れることだけではない知識を入れることも入金力だ

——守りと知識が入金力を作った話、正直にお伝えします。


習慣④「生活費と投資資金を分ける」——絶対に混ぜない原則

3年分の生活費500万円を「命綱」にした

投資を始めるにあたって、私は一つのルールを絶対に守ってきました。

生活のための防衛資金を、投資資金とは絶対に混ぜないこと

私が設定したのは「3年分の生活費500万円」です。

この金額を、会社からの天引き口座や定期預金に入れて、簡単には引き落とせない仕組みにしました。

これが命綱でした。

これに手をつけたら終わりと肝に銘じていました。

なぜ500万円なのか——子供のころのトラウマ

この数字の背景には、子供のころの強烈な体験があります。

東大阪の町工場街で育った私は、親元に帰って一からやり直す家族、夜逃げする家族を間近に見てきました。

立ち上がれる家族と崩壊してしまう家族の違いは、再起するための資金が残っているかどうかでした。

何も知らない子供が夜逃げの場面を目撃したあの記憶が、今でも強烈なトラウマとして残っています。

絶対に自分の失敗でまわりに迷惑をかけたくないという思いが、この500万円という数字を生みました。

投資で全部ゼロになってもやり直せるという確信が、私の守護神として機能していました。

防衛資金があったから、窓際族にも慣れられた

逆に言うとこの防衛資金があったから窓際族という状況にも慣れることができました。

立ち直れる余力があったから大胆な判断ができるようになりました

もしこの資金がなかったら、怖くて何もできなかったと思います。

リーマンショックのとき、リーマン・ブラザーズが破綻した直後に株価が下がり、さらに「次に破綻するのはどこか」という噂から一段と下がりました。

破綻直後に大量に買って、この2番底で資金ショートした投資家を数多く見てきました。

私は破綻直後に相場から離れ、2番底で再び復帰して難を逃れました。

生活費が別枠で確保されていたから、2番底まで待てる余裕がありました

このときに生活費まで株に入れて強制決済(投げ売り)をさせられた人たちが、まさに最悪のタイミングで売ることになっていたのです。

「守る」ことが「攻める」ための条件

入金力とは、株を買うためにお金を増やすことだけではありません。

絶対に投資に使わない防衛資金を作ることも、入金力の重要な一部です。

この「3年分の生活費」という数字は、「再起するための最低限の時間と資金」を具体的かつ現実的に設定したものです。

二度と同じ過ちを繰り返さないという強い自己防衛本能の表れでもあります。

「守る」(生活費を分ける)ことで「恐怖」という敵を排除し、「自由」という最大の武器(攻め)を手に入れることができました

守ることが攻めるための条件であり、守ることが攻めることそのものになる

——これが習慣④の核心です。


習慣⑤「窓際族の時間を勉強に使う」——入金力とは知識を入れること

2001年、うつ病で窓際族になった

2001年、32歳のとき、猛烈な仕事ぶりが原因でうつ病になりました。

そこから早期退職する2022年まで、21年間の窓際族時代が続きました。

勤務先では「終わった人」「出世できない人」と空気のような扱いでした。

仕事はありませんでしたが、時間はたっぷりありました。

療養中に「金持ち父さん貧乏父さん」を読み、自分のポケットにお金を入れてくれる「資産」を集めることがお金持ちになる方法だと知りました。

中学からの夢だったお金持ちになることへの道が、32歳でようやく見えてきました。

証券会社の営業マンとの攻防

社内では誰も話しかけてくれません。

たまに証券会社の営業マンから携帯電話に着信があるくらいでした。

最初はこの営業マンの言いなりで注文を出していました。

損が続き、やめようとも思いました。

でも窓際族で自分宛の電話がないことの寂しさもあって、着信拒否よりも対等に話せるようになりたかったのが本心でした。

そこから日経新聞を隅から隅まで読み、図書館で投資本を読み、知識をつけていきました。

営業マンの推奨に理由をつけて断れるようになると、知識がついたという実感が湧いてきました。

やがて知識がついて営業マンとの会話がつまらなくなり、手数料の安いネット証券に移行していきました。

楽天ブログで「嘘を見抜く力」を養った

ブログも始めました。楽天ブログでした。時間があるので読むのも書くのも好きでした。

いろんなブロガーの取引記録や手法を研究しました。

このころのブロガーは玉石混交でした

「毎日最安値で買って最高値で売る」デイトレーダーの嘘、資本家の親でしか知りえない極秘情報を自分で探したとマウントをとる人、後出し情報をする人

——やりたい放題でした。

こういうものを一つひとつ調べていけたのも、暇があったからです。

知識を得たから嘘を見抜けた

そしてそれが「自分にもできる」という自信につながりました。

四季報CD-ROMとエクセルで3,000社を分析した

ヤフーファイナンスのデータと四季報のCD-ROMをエクセルに落として、ROE・PBR・海外売上比率などを昇順・降順で並べ替えました

これを相当やりました。

やっているうちに3,000社のある程度の情報が言えるようになりました。

「ここは海外売上が多い」「ここは急に売上が伸びている」「○○分野のシェアナンバーワン」といった一言が出てくるようになりました。

そして気づいてしまいました。

勤務先は負債過多・資産なし・ビジネス構造が脆弱で、将来性が乏しいと。

エクセルで並べ替えるたびに、勤務先と真逆の会社が上位に出てきます

その会社が「TDK」でした

TDKを買い続けたのは「会社への復讐」だった

真逆の会社であるTDKを購入し続けたのは、会社への復讐があったからだと今は思っています。

「勤務先は成長しない」という分析、「私が選んだ会社を成長させていく」という戦略。

21年間、毎日「自分の会社(負債過多)」と「選んだ会社(TDK)」を比較し続けました

「勤務先は潰れるはずだ」「私が選んだ会社が勝つ」という感情的な期待と憎しみが、意志力の枯渇を補うエネルギーになっていたと思います。

「淡々とした投資」ではなく、感情を燃やして分析し続けるという一種の儀式でした。それが窓際族の21年間という長い時間を耐えられた理由でもあります。

結果、TDKは19倍になり、持ち株の時価は9,000万円になりました。

勤務先は私が早期退職した半年後に他社に吸収されて消滅しました。

出世した同僚は忙しくて株の勉強などできず、会社消滅で放り出されました。

「入金力=知識を入れること」という定義

今だから言えます。窓際族という屈辱が、私にとって逆に最大の武器を作っていたのです。

入金力とは、お金を入れることだけではありません。

知識を入れることも入金力です。

1時間ちょっと×21年間=1万時間

——私は窓際族でこれだけの時間を勉強に使いました

これは出世した人には絶対にできなかったことです。

窓際族で存在意義の喪失」という絶望感を味わいました。

でも今では、その時間があったからこそ誰にもできない調査と分析という圧倒的な専門性へと変換できた——絶望の逆転」を果たすことができました。

あなたにも、今「無駄な時間」と思っている時間があるかもしれません。

それは実は、誰にもできない専門性を積み上げる時間かもしれません。

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締め:21年間続いた本当の理由

5つの習慣を続けられた理由は、根性でも才能でもありませんでした。

最初からなかったことにする仕組みを作り、あとは放置しただけです。

入金力とは意志の力ではなく、仕組みの力で積み上げていくものです。

私は窓際族で社内では「終了した人」と見放されていました。

だから「仕事で結果を残さなければならない」というプレッシャーを、「暇つぶしにやってみた」という遊びの領域に自然にすり替えていきました

最初からなかったことにする仕組みとは、「これが私の仕事ではない」と宣言することで、失敗への恐怖や達成への圧力を完全に排除した行為です。

500万円の防衛資金を命綱にすることで、「もし失敗しても、ただの暇つぶしだった」という心理的負担をゼロにしていました。

5つの習慣をまとめるとこうなります。

  • 天引き:仕組みで強制する
  • 保険の見直し:確率で考えて削る
  • 欲しいものリスト:物欲に優先順位をつける
  • 防衛資金の分離:守ることで攻められる
  • 窓際族の時間:知識を入れることも入金力

まずはあなたの給料から、今月いくら「最初からなかったことに」できますか

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自己紹介
53歳でFIRE達成。専業投資家・前田嘉一の投資実績と人生観を公開。心の余裕と仲間づくりが鍵。
窓際21年・資産3.7億円
挫折と再起を経てFIREを達成した一人の軌跡。投資、キャリア、自分軸の確立までの実話を通して、次世代に希望を届けます。

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