入金力を上げた3つの習慣【前編】——薄給サラリーマンが仕組みで強制した「お金の使い方」
こんにちは、前田嘉一です。
1991年4月15日。初めての給料日、手取り17万円。
もらい過ぎだと感じて、その日のうちに10万円を天引きにしました。
特別な才能も根性もいりません。
ただ、最初からなかったことにしただけです。
「努力」よりも、ほんの少しの「仕組み」だけで十分でした。
この記事では、私が薄給サラリーマン時代に実践した3つの習慣をお伝えします。
いずれも「意志の力」ではなく「仕組みの力」で続けてきたものです。
なぜ「意志の力」では入金力は上がらないのか
最初にひとつだけ、大事なことをお伝えします。
「毎月3万円貯金しよう」と決意しても、3ヶ月後には崩れる——そういう経験はありませんか。
私にもあります。人間の意志は弱い。私の意志も弱かった。
だから私は、意志に頼るのをやめました。
意志の力を使わなくていい「仕組み」を作ること。
これが21年間続いた本当の理由です。
習慣①「天引き」——最初からなかったことにする
初任給17万円、その日に10万円を消した
1991年4月、入社式やあいさつ回りで何も仕事をせずに手取り17万円が口座に入りました。
アルバイト代を超える額に驚きました。
もらい過ぎだと感じ、不労所得への強い罪悪感がありました。
そして会社に申し訳ないという謙虚な気持ちもありました。
その日に決めたのが、毎月10万円の天引きです。
内訳はこうでした。
- 自社株購入:毎月3万円(ボーナス時10万円)
- 財形貯蓄:毎月4万円
- 財形住宅貯蓄:毎月3万円
- 合計:毎月10万円
口座に入る前に消えるお金には、手が届きません。
自動的に貯まっていきます。
残り7万円でも「不思議と不安はなかった」
残り7万円で1ヶ月生活すると決めました。
自宅から通っていたので、家賃も食費もかかりません。
不思議と不安はありませんでした。
東大阪の町工場街で育った私にとって、上場会社のサラリーマンになることは目標でした。
それが叶って、借金からスタートでなくなりました。
安定した給料があり、月10万円も貯金できる。
これが大企業に勤めるということだと感じていました。
「ローンの練習」という発想
周りの高校卒の友達はすでに車や家をローンで買っており、毎月10万円の支払いをしていると聞いていました。
うらやましくもありました。
いずれ自分もそうなると思っていました。
だから天引きを「ローンの練習」と考えました。
将来のローン生活に向けて、今から10万円がない生活に慣れておく。
この発想が、天引きを苦しくなかった本当の理由です。
お金の流れの「仕組み」を変えた
「収入-支出=貯金する額」ではなく、「収入-天引き貯金=支出できる額」に変えました。
お金の流れの仕組みを変えたのです。
毎月貯金するために節約するという意志では、必ず失敗していたでしょう。
しかも周りには新車やブランド品など、お金を使わせようとするものが溢れていました。
天引きという仕組みで強制したから、入金力は続きました。
金額は変わりましたが、退職するまでこの天引きは続けていきました。
習慣②「保険の見直し」——掛け捨てを削って投資に回す
セールスレディに押し切られた26歳
1994年、入社3年目のとき、「定期特約付終身保険」を契約させられました。
当時は昼休みになると生命保険のセールスレディが職場にやってきました。
「同年代の女性を紹介してくれたら契約する」と軽々しく言ったら、本当に紹介してくれたのです。
映画を一緒に見ただけで、その日で終わりました。
でもセールスレディのほうは、新規加入が給料に直接響く。
そして昼間から「早く家庭を持たなければ」「死亡したら家族が悲しむ」と煽り続ける。
百戦錬磨のセールスに入社3年目の若造が敵うはずもなく、嫌々ながら契約しました。
翌月、定期特約部分をすべて解約した
契約した直後から悩みました。
- 欲しくもない保険にまでお金を天引きされること。
- 60歳まで死亡や重大事故が起きる確率は低い。
- 独身で残された家族もほとんどいない。
そう冷静に考えて、定期特約部分をすべて解約し、150万円の終身保険だけを残しました。
150万円は葬式代です。
解約のときはセールスレディの顔を立てて、本契約は残し、さらに30万円を一括払いすることで、このセールスレディへの手数料がすべて入る条件にしました。
手切れ金を渡すことで、向こうの顔も立てたのです。
一部解約の書類に捺印したとき、「ほっと」しました。
このセールスレディは、それ以来私にセールスすることはありませんでした。
30年後に「超お宝保険」になった
当時、正解かどうかはわかりませんでした。
でも確率の低い掛け捨ての保険料という余分な天引きから逃れ、そのお金を後の投資に回せました。
そしてこの150万円の終身保険は、30年後の今では絶対に再現できない「超お宝保険」になりました。
- 予定利率4.75%(現在ではあり得ない高水準)
- 一括払いなのに毎年8,750円の税金控除が続く
- 終身受取額が約170万円に増加
「安心して死ねる」と思いながら30万円を払った26歳の判断が、30年後に思わぬ形で報われました。
習慣③「欲しいものリストを作る」——物欲を管理する
バブル後の職場、同僚がピカピカに見えた
1991年入社当時、バブルは弾けていましたがまだ余韻が残っていました。
そして新卒の同僚がローンでスポーツカーや四輪駆動車を買い、ブランド物のスーツやバッグで出勤する。
エリート社員のようにピカピカと輝いて見えました。
月7万円の暮らしをしていた私にはうらやましかった。
いつも見栄えのいい人のほうに、人間は靡くものです。
「欲しいものリスト」を書いたら、3日後にどうでもよくなった
私もエリート社員のように見られたいので、欲しいものリストを書いて、順位付けと資金繰りを考えました。
車、腕時計、バッグ、スーツ、靴、家——具体的なブランド名と値段まで書きました。
すると、その価格に見合う価値が見当たらないのです。
週末だけに乗る新車にこれだけのお金をかけるのか。
時計もバッグも同じ。価格に見合う価値を考えると、3日後にはどうでもよくなっていました。
冷静に考えると「そこまでして欲しくない」「ローンまでしても欲しくない」という結論になる。
四輪駆動の新車をローンで払っている人を見ると、冷めた目で見るようになりました。
買えない自分を正当化するためだったかもしれません。
でもこの習慣が、物欲をコントロールする力を育てました。
「より大きな欲望」に統合させた
そのとき「見栄の世界で頂点に立つもの」として選んだのが「郊外の一戸建て」でした。
これに集中させて、周り全員を出し抜いてやろうと思いました。
物欲を捨てたのではなく、物欲の優先順位を決めました。
節約は我慢ではなく、本当に欲しいものへの集中だと気づきました。
まわりが車やバッグの話をしているとき、私の心の中では一戸建てで一発逆転を狙っていました。
後に、その一戸建ての夢は「金持ち父さん貧乏父さん」という本との出会いで、株という資産に置き換えられました。
物欲の優先順位を決める習慣が、投資先の優先順位を決める習慣へと自然に変わっていったのです。


まとめ:入金力を上げた3つの習慣に共通すること
天引き、保険の見直し、欲しいものリスト——この3つに共通しているのは「意志の力に頼っていない」という点です。
天引きは「口座に入る前に消える」仕組みで強制しました。
保険の見直しは「確率で考える」という冷静な判断で実行しました。
欲しいものリストは「書いて3日待つ」という仕組みで物欲をコントロールしました。
どれも「頑張らない」仕組みです。
次の記事では、残り2つの習慣「防衛資金の分離」と「窓際族の時間を勉強に使う」をお伝えします。
特に後者は、入金力の定義を根本から変えるお話です。→後編【こちら】




入金力を上げた3つの習慣について、そしてブログのご感想などがあればお待ちしています。
みんかぶマガジンの著者です →こちら
にほんブログ村


コメント